ルルと平成

ルル 1 話 (2021/02)

ルル 2 話 (2024/03)

ルルは平成後期くらいの時代設定なんですが
平成って、私はいい思いしなかったけど、漫画で描くぶんには落ち着いてていい時代だったなって思います
私は昭和を生きてないので知らないのですが、日本人昭和にいろいろやったらしいから
なんか皆して疲れちゃったんですかね
当時の若者(私もですが)というのも、なんていうか KY って言葉が流行るくらいには、出る杭にならない美徳みたいなものを持っていて、要するに普通であることを求められていたと思うんです

今ってインフルエンサーなんて言うくらいに、すごいエネルギッシュさがイケてる時代じゃないですか
上手く言い表せてるかわかりませんが、平成って普通の人が物語というには微かすぎる出来事を繰り返して普通に日々を過ごしていたのが、今では大味で人とは違う面白いことをして日々を過ごしたいって感覚でやってる気がして
もちろんそれはそれで悪くないんですが、まあ力要るんですよね

私ラノベはほぼ読まなかったのですが、平成ではセカイ系というものが流行った記憶があって
読んでねえのに勝手なこと言って恐縮ですが、あれって世界規模のでっかい影響力を与えるっていうための手続きを全部すっ飛ばして設定でゴリ押した結果なんじゃないかと思ってて
なんかそれって、当時の平成を生きてた人達の内なる羨望と想像の限界が見える感じがして、ちょっと切ないというか、私はそういう人達好きかもなって今になって思います

ラノベ余談

話は逸れますが、今ではなろう系のラノベが流行ってますね(今も流行ってんのかな)
これに関しては 1 ミリも読んでないのにほんとに恐縮なんですが、なんかこれもかつての流行と根は一緒な気がしています
平成で自分を普通に染めつつも、なにかでっかいことしたい、動かせる自分でありたい、でもやり方はわかんないって言ってたのが
令和になって私も人気者になりたい、ちやほやされたいって願望を、手続きすっ飛ばしてやってんじゃないかって
あれはあれで時代を生きる人々の悲痛な叫びなのかもしれません

ルルは設定上は人妻に恋してるんですが、だからといって何も起こらないんですね
内なる羨望がありつつもそれを手続き的に実現しようみたいな話には一切ならなくて
なんていうか、私は平成にぴったりだなあと思いながら描いています

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